ケース39
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s t o r y
ソーシャルワーカーのエミリー(レネー・ゼルウィガー)は、児童虐待などのトラブル解決に奔走する日々を送っていた。
いつものように回ってきたある案件の担当になったエミリーは、10歳の少女リリー( ジョデル・フェルランド)が両親から虐待を受けているのではと疑う。
結果、両親に焼き殺されそうになるリリーを救い出すと、エミリーは勢いで里親が見つかるまでの間、リリーの身を預かることにするのだが、直後からエミリーの周囲でたて続けに不幸が起こるようになり。。。
c o m m e n t
事前に全く情報を入れないで観ましたが、途中でネタがわかってしまい興味の対象は、ラストをどう処理するかになりました。
ネタはずばり、エクソシストもの。
サスペンス要素が前面に出ているものの、話の根底にあるのはホラー、オカルトなどの超常現象の世界です。なので、それがわかった時点で映画(作り物=フィクション)なんだと急に距離が開いてしまったように思いました。
少女が悪魔に憑りつかれているのなら、ある意味何でもアリですから。
自ら手を下すわけでなく、電話越しなどから標的に呪いをかけ悪夢を見させて自殺のように追い込んでいくくだりは確かに怖いものがありますが、元々スタートはあくまで現実的で日常的な光景から始まっているので、非現実的な解釈に対し、どうつじつまを合わせるんだろうと。
でも、結局少女の出生について多くは語られませんし、人を呪う目的もよくわかりません。生まれた時から悪魔という設定には、正直「じゃあしょうがないのか」と納得するしかないのです。ちなみにエンディングまでは、エミリーvs悪魔少女の戦いで一気にラストスパートをかけますが、これも本家の『エクソシスト』を彷彿とさせます。
要は精神面で相手より優位に立つということ。
エミリーは少女を車に乗せ暴走しますが、見事少女の予想を上回る死をも恐れぬブッチ切れっぷりに、それまで終始優勢だった少女も恐怖を覚え狼狽します。結果、少女は車と共に海中へ消え、エミリーは生還を果たしました。
アカデミー女優のレニー・ゼルウィガーじゃなければいけなかったのか、正直疑問は残りますが、最初悪者と疑われる側(今作だと少女の両親)が実は真実を主張していたり、世間体の良い悪者に主人公の言い分が通らなかったり(今作は相手が子供なのでなおさら)と、けっこうコテコテの技法が用いられていて、作品そのものにあまり新鮮さを感じませんでした。
それとタイトルですが、初見では全く気づきませんでしたが、このページを作るにあたって調べた時に観た今作の予告編で、エミリーが抱えた「39件目」の案件ってことだったようです。
(忙しさを主張するエミリーに上司が現在何件の案件を持ってるか訊いた際、「38!」と答えていたので。)
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原題: Case 39
監督: クリスチャン・アルバート
公開: 劇場公開なし(日本) / 時間: 109分
製作: アメリカ・カナダ合作(2009)
キーワード:オカルト、スリラー、ホラー、サスペンス、謎解き、悪魔、エクソシスト、超常現象、レネー・ゼルウィガー
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