パーフェクト・ゲッタウェイ
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s t o r y
ハネムーンでハワイにやって来た、新婚ホヤホヤのクリフ(スティーヴ・ザーン)とシドニー(ミラ・ジョヴォヴィッチ)。ハワイでも評判のカウアイ島の絶景ビーチを目指して、野道のトレッキングを開始する。
その道中、同じくハワイ諸島の一つオアフ島で新婚カップルが殺され、犯人の男女がカウアイ島へ向かったとのニュースを知る。不安を覚える二人の前に現れる、ニックとジーナ、ケイルとクレオの2組のカップル。
彼らの意味深な言動に、クリフたちの緊張は極限まで達する。。。
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最初に書いておきますが、この映画はラスト(オチ)が命の他言無用な映画です。なので、この先はこれからこの映画を観ようと思う人はくれぐれもご注意ください。
さて。この映画はとにかく最後の30分=ラスト(オチ)について、予告編やDVDパッケージから過剰に煽りすぎていて、こちらもどうしても構えてしまい、正しい評価がしにくくなってるように思います。
映画の前半はホラーとサスペンスの様相が強く、主人公以外の登場する全ての人物に疑いの目を持ち、殺人犯捜しから頭が離れません。ただ、前述のように事前からラスト(オチ)への期待を刷り込みすぎなので、いきなり明らかに怪しいキャラに対しては「コイツだったらベタ過ぎだから(殺人犯では)ないな」と先入観を持ってしまうのが大きくマイナス点です。
それに全体的に登場人物が少ない。中盤そこそこには、その明らかに怪しいケイルとクレオが退場してしまうので、残るはクレオとシドニー(主人公カップル)か、ニックとジーナかの2択となってしまう点もいただけません。
突然、第三の有力候補が現れるのも後付けで邪道であり、結局ニックとジーナがどんな方法で正体をバラし、どのタイミングで主人公カップルに襲いかかるのかに絞られるわけです。
しかし、物語は意外な方向に‥‥。
なんと殺人鬼は主人公のクリフとシドニーであり、ニックとジーナがベビーフェイス(善玉キャラ)だったのです!!(これがオチ!!!)
不思議なもので、ネタがバレた後は完全にニックとジーナに感情が移ってしまい、クリフとシドニーの攻撃から助かるよう応援してしまってる自分がいるのは、シナリオの妙といったところでしょうか。
ただクリフとシドニーがなぜ殺人鬼となったのかについては、どうもピントが合いません。一応、他人の人生を乗っ取りながら生き延びてきた(それがタイトルである「パーフェクト・ゲッタウェイ」=完全なる逃亡)感じなのですが、ラストまでに散りばめてきたであろう伏線が、ピシッと1本に結びついた気にならないのです。
例えば、クリフとシドニーの正体が過去に撮ったビデオムービーでバレるくだりは、おそらくビデオに映ってる新婚カップルがクリフとシドニーではないんだろうけど、どうも見にくいシーンで確証が今ひとつ。
おまけでクリフが新郎に似せるよう格好を変えるシーンもあるけど、殺人を犯してまでそれをする意味が伝わってきません。
シドニーがなぜクリフと行動を共にしてるのかも、シドニーがジーナに語った思い出話にヒントがありそうなんだけど、なんだか変化球がキツすぎます。
確かに2度も3度も観れば、もう少し気づくところもあるんだろうけど、わざわざ観直すほどの魅力も感じず、ともすればはたしてミラ・ジョヴォヴィッチを起用してまで作るほどの映画だったのかと、疑問に思わずはいられませんでした。
ちなみに、同じような犯人像を扱った映画では、アンジョリーナ・ジョリーが主演している『テイキング・ライブス』の方が面白かったかな。
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原題: A Perfect Getaway
監督: デヴィッド・トゥーヒー
公開: 2010年(日本) / 時間: 97分
製作: アメリカ(2009)
キーワード:サスペンス、スリル、人間ドラマ、ミラ・ジョヴォヴィッチ、謎解き、ドンデン返し、予告動画あり
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