NAKED ハンター・キラー
★ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
s t o r y
夜も更け、漆黒の山道を走る1台の車。
車中には眠気と戦いながら運転するキャリー(ダリル・ハンナ)の姿があった。
怪しげなガソリンスタンドに立ち寄り、彼女はひたすら目的地へ急いでいた。
その前に突然現れた若い女。かろうじてブレーキを踏み詰め寄るキャリーに、女は涙ながらに助けを求める。最初は迷惑顔だったキャリーも、女のただならぬ様相に同乗を許す。
そして、女の口から少しずつ真相が語られる。。。
c o m m e n t
今作は日本では劇場公開されず、DVDのリリースのみ。
この手のタイトルは低予算を隠しきれないチープな作りが多い中、全く期待しないで観たら、ほんの少しだけ良い方に裏切られました。
正直、悪役(殺人鬼)の設定はありがちで、とても一般的なものです。(簡潔にまとめると、化学薬品による汚染で変態(奇形種)が生まれてしまった。だから世の中を憎んでいて、その復讐に土地に近づく者はみな殺意の対象となる‥‥というもの)
それに恐怖(スプラッター)要素としても、それほど残忍かつグロいシーンはなく、標的の若者達は唐突に襲われ、あっけなくサクサク死んでいきます。(この点でも、既存の殺人鬼と比べ淡白感は否めません)
(ちなみに、予告動画を観ると前半の若者達が襲われるシーンがほぼメイン。全編観終わった時と、ずいぶん印象が違うなあ)
では、どの点が良い方に裏切られたのか(ほんの少しだけど)、それは助けを求めた若い女性が、実は既に殺されていた幽霊だった点です。
流石にそれは予想していなかったので、「あらま!そうなの!?」と一瞬面食らいましたが、よくよく考えてみると、元々ホラー映画の中でもスプラッターと幽霊モノはそれぞれが独立したジャンルであり(僕はそう思っています)、それを交じわすのは些か全ての設定にケチがつく感じがします。
第一、幽霊アリにしてしまったら、せっかく少しでも現実感を出そうとした殺人鬼の設定(奇形種)がかすんでしまいます。がんばってリアルにしたいの?何でもアリにしちゃうの?みたいな。
作品のラストは、ドライバーのキャリーも殺されてしまいます。(彼女が急いで車を飛ばしていた理由は、音信不通となった夫の元へ向かっていたため。ただ夫も既に同じ殺人鬼の手にかかっていたことが明らかになります。無造作に放置された犠牲者達の車の中に、夫の車もあったため)
これって一応、大ドンデン返しを狙ってるのかなあ。結局、何がやりたかったのか?よくわからない作品でした。
※ちなみに、個人的な優良ホラー映画の絶対条件は「恐怖」と「エロ」。「恐怖」については前述の通りですが、ハッキリ言って「エロ」は皆無です。その点でも、リピーターがつくのは難しいでしょう。しかしまあ、『キル・ビル』にも出てたダリル・ハンナは、何だってこんな映画に出たんだろう‥‥。
※それと、雰囲気たっぷりのジャケット表紙になってる、グラマラス女性が首元に鎌を突きつけられてるシーンはございません。あしからず。
////
原題: THE CYCLE
監督: マイケル・バファロ
公開: 劇場公開なし(日本) / 時間: 89分
製作: カナダ(2008)
キーワード:ダリル・ハンナ、ホラー、スプラッター、殺人鬼、奇形種、幽霊、予告動画あり
0コメント