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ザ・ファン

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s t o r y

地元球団サンフランシスコ・ジャイアンツの大ファンであるギル(ロバート・デ・ニーロ)は、大物選手ボビー・レイバーン(ウェズリー・スナイプス)の加入に心躍らせ、仕事の予定があったにも関わらず、別れた妻に引き取られた息子を誘ってシーズン開幕戦を観に行く。

しかし、試合の最中に抜け出した甲斐もなく、商談には間に合わず会社をクビになり、また球場に息子を置き去りにしたことで、息子にも接近禁止となってしまう。

そんなどん底のギルは、新天地でスランプに陥ったボビーの姿に自分を重ね、ますます彼に執着し次第に倒錯していくのだった。。。

   

c o m m e n t

観た気がしていたのに、実はちゃんと観たことがなかった作品でした。

熱狂的な野球ファンのデ・ニーロが、一人のスター選手にのめり込んでストーカーと化し、挙句は「お前のためにやってるんだ(悪事も含め)!」「自分の存在に感謝しろ!」と逆ギレ&プッツンしちゃうという、、、ベターなストーリー。

(実は、前日に海外ドラマ『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』でほぼ同じ展開のエピソードを観てしまったので、そこもタイミングが悪かった!)

  

ストーカーものとしては王道とも言えるテンプレ的な展開なので、先が読め過ぎでホントまあ、盛り上がらない。もう少し何か気の利いた意外性のある方向に持っていけなかったもんかねえ。

加えて、映画だから‥‥では済ますことのできない ”抜け” があって、すごく醒めてしまいました。

  

なんで、簡単に選手のロッカールームに電話を繋げられるのか。

まずボビーへ取り次ぐ取り次がない、彼が電話に出る出ない以前に、そもそもなぜデ・ニーロはロッカールームの電話番号を知ってるんだよ!?

それに、デ・ニーロのプッツンが決定的となった、ボビーのライバル選手(実はベニチオ・デル・トロ)を殺しちゃうシーンも、なんで選手の使用してるサウナルームに入れるんだよ!?

その辺はいくら昔の作品といっても、90年代中頃でしょ?かなり無理があるだろ!

  

例えば、表向きのデ・ニーロが品行方正で表彰されたこともあるような優良ファンとか、関係者の間では知らない人がいない最古参の生き字引とか、公式ファンクラブを立ち上げた初代会長とかなら「顔パス」でもいいでしょう‥‥そして、実は裏の顔があった!‥‥とかだったら、(まあこれもベターではありながら)一応整合性は取れなくもない。

でもデ・ニーロは当初から、どちらかというとブラックリストに載っちゃいそうなマナーの悪い客だからね。そういう言動のファンは、球団側で把握しておけよ!という。

(今なら過激なファンは、自分から twitter とかでわざわざ目立つようなことしてくれるからチェックしやすいけど、SNSもインターネットも全然の時代はこんなもんなのか?)

とにかく、この ”抜け” は興覚めの大々マイナスポイントでした。

  

とはいえ、最初から最後までずっと嫌な奴だったデ・ニーロですが、むしろ前半は滑稽過ぎて笑えたけどね。

自分の息子の足を踏んづけてまでファールフライのボールを取りに行ったり、ボールが取れなかったら酷い憎まれ口を叩いたり。営業なのに客先でブチ切れたり。

やっぱり流石デ・ニーロなんだな。全然目が笑ってないし、超怖い。

実はこの映画、ストーリーすら二の次で、ただただデ・ニーロの危ないサイコパス演技を見せつけたいだけなのかもしれない、とまで思ってしまいました。

  

ちなみにオマケ。

『ウィキペディア』によれば、「ギル・レナード役は当初はトミー・リー・ジョーンズが演じることになっていた。」とのこと。ジョーンズ版のギルはちょっと観てみたいな。

あと、冒頭でデ・ニーロはこんなこと言ってました。

~「俺はワクワクしながら、その日を待つ。歓声をあげて贔屓のチームを迎える時を。シーズン開幕の日は確実にやってくる。この喜びがあるから、ファンは辞められない。‥‥俺は過去の栄光の日々を思い出す。普通のファンより、入れ込みが激しいのは、元プレーヤーで腕に覚えがあるからだ。‥‥野球観戦は今や俺の人生の一部。父と子を結ぶ大切な絆だ。‥‥自分の為にプレーするという今時の選手。俺はむかっ腹が立ち。イライラが溜まる。試合に金を払うのはファンだ。それが選手たちに富と名声をもたらす。だが彼らにこの声は届かない。‥‥連中の欲とかけひきには、もううんざりだ。あるべき姿に戻そうと俺は誓いを立てた」~

これから始まる狂気の物語へのプロローグですが、デ・ニーロいわく「過去の栄光」ってリトルリーグで優勝を決めるホームランを打ったことなのが、エンディングで明かされます。

んー、デ・ニーロ、しょっぺえ!

こっちのポスター、ほぼネタバレというかストーリーの要約じゃん!

(所詮は4行で書ききれる程度の内容ってことなのね)

    

ちなみに、最近好きになった俳優のジョン・レグイザモ氏。今作ではボビーのジャーマネ。

確かシュワちゃんの『コラテラル・ダメージ』で、麻薬製造工場の取りまとめ役をやってた。

その軽薄な中間管理職の演技が妙にツボだったので覚えました。

スティーヴン・セガールから目をつけられたジョン・レグイザモ、「殴ってやる」と脅されていることを明かす

うーんこの。こういう人なんだ。ますます好きになったゼ!

     

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原題: The Fan

監督: トニー・スコット / 原作: ピーター・エイブラハムズ

公開: 1996年(日本) / 上映時間: 117分

製作: アメリカ(1996)

キーワード:アクション、スリル、サスペンス、犯罪者、野球、球場、ロバート・デ・ニーロ、ウェズリー・スナイプス、ベニチオ・デル・トロ、ジョン・レグイザモ、静岡第一テレビ(ミッドナイトシネマ)、吹替え(ソフト版)、 津嘉山正種、山寺宏一、土井美加、島田敏

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