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フォーガットン

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s t o r y

愛息サムの突然の死から立ち直れない、母親テリー(ジュリアン・ムーア)。夫ジム(アンソニー・エドワーズ)や精神科医マンス(ゲイリー・シニーズ)のサポートも虚しく、テリーの悲しみは日に日に募っていく。

そんな中、職場復帰を決意したテリーの記念すべき日、家族3人で撮った写真からサムだけが消えていることに気づき、「写真を差し替えたのでは!?」とジムに怒りをあらわにするテリー。しかし、写真は元に直されるどころか、翌日にはアルバムからサムの全ての写真が消え、果てには成長を記録したビデオでさえ消去されていた。

パニックに陥るテリーに、さらに追い討ちをかけるように「息子などいなかった」と反論する夫。ベビーシッターを頼んだこともある隣人も、息子の存在を証明してくれない。そして、ついには新聞から息子が乗っていた飛行機事故のニュース自体が消え、夫ジムからは結婚の事実すら失われた。

なんとか同じ飛行機事故で娘を失った元アイスホッケー選手のアッシュ(ドミニク・ウェスト)の記憶を甦らせて味方を得たテリーは、息子の死の裏に潜む大きな謎に挑んでいくが。。。

  

c o m m e n t

期待値を上げて観たけど‥‥「はぁ、そうですか」‥‥みたいな消化不良のラストでした。

  

まあ、観る前から『シックス・センス』や『アザーズ』みたいな「心霊もの」か、『ハイド・アンド・シーク』や『シークレット・ウィンドウ』みたいな「二重人格もの」か、そんなトコロを予想してたんだけど、まさか「宇宙人もの」とはね‥‥。

    

副題的に「母の愛は強し」みたいなことを盛り込んでるんだけれど、結局姿を現わさない宇宙人の「モヤモヤ」感が遥かに優り、映画全体をすっぽり包んでしまって、何が言いたいのか、何がしたかったのか、ピンボケしちゃってます。

  

公開当時オンエアされてたCMの印象的なシーン(これで期待値がハネ上がっていましたが)、いわゆる突然空にすごい勢いで吸い込まれていくシーンも、真相は ”宇宙人による拉致” の瞬間だったんだけど、とにかく乱暴。

ラストでテリーとアッシュの子供だけは戻ってくるけど、他の拉致られた人達はどうなっちゃったのか、正直そっちが気になります。自分達(主人公)の子供さえ帰ってくればハッピーエンドみたいな感じに、すごくイライラ。

   

記憶(と事実)の消去も、みんな宇宙人の仕業。ハイテク宇宙人にはかなわない。

‥‥全ては宇宙人の為せるワザ‥‥と発覚してからはそのスタンスを固定しすぎてて、観る側を強引に納得させようとしている感じが横柄。たくさんの人の記憶を、はたしてどうやって消しているのかが知りたいところなのにね。

例えばニュースなんて、見聞きした全世界の人々(の記憶)が対象でしょ。単純に主人公の家のアルバムからその記事を切り取ればオシマイとか、そんな簡単なもんじゃないんだから。

そういう重要なディティールを作りこまず、宇宙人という漠然でフワッとしてるけどハイテクで万能なんですよって済ましちゃうのは、全然納得いかない。

  

極論から言えば、主人公の子供なんかどうだっていいんです。戻ってこようがこまいが、大した問題ではなくて。

重要なのは、”どうやって全世界の人々の記憶が操作されていくのか、誰がどうやっているのか” なわけで。

それがこの映画の一番のミソなのに、掘り下げるところを根本から完全に誤っている。未知なる宇宙人で全て風呂敷に包めると思ったら、ちょっとお客さんを舐めてるんじゃないかしら。怒

   

ちなみに蛇足だけど、『宇宙戦争』といい、今年の「宇宙人もの」は「圧倒的な力の持ち主」として描かれる作品が多いね。『フォーガットン』劇中のアメリカ政府じゃないけど、もしアメリカが宇宙人と本当に密約でも交わしていて、そのイメージ創出(情報操作)じゃなければいいけど‥‥なんて考えるのは邪推かな。

   

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原題: The Forgotten

監督: ジョセフ・ルーベン

公開: 2005年(日本) / 時間: 92分

製作: アメリカ(2004)

キーワード:SF、スリラー、宇宙人、ジュリアン・ムーア、ゲイリー・シニーズ

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