ルール4
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s t o r y
小説家デビューしたマイクは故郷の島へ戻る船上で、男が海へ突き落とされるのを目撃する。
男は船のスクリューによって死亡。警察は事故死として処理しようとする中、たった一人、殺人を主張するマイクだが島民の彼に対する視線は厳しいものばかり。なぜなら、マイクはデビュー作にて故郷の島民たちを面白おかしく脚色して書いたからだった。
孤立するマイクは、妹のサムが友人たちと遊んでいる手作りのボードゲームに、殺人事件としての謎を解く鍵を見出すのだが。
c o m m e n t
これはひどい‥‥正直悪質なものを感じました。
実はこの『ルール』という映画。今回観たのはシリーズ4作目でしたが、ちょっと気になっていたシリーズではありました。というのもシリーズ1作目のDVDパッケージ裏面には「都市伝説を扱ったホラー」との説明があったので、期待値が上がっていたのです。
それにプラス、先日観た独特な雰囲気を持つ映画『フェーズ6』に出てたエミリー・ヴァンキャンプちゃんが出演しているのもあって、思わず4番目の『ルール4』から手に取ったわけなのですが。
まずシリーズの主題であるはずの都市伝説はおろか、タイトルである『ルール』とはほぼ無関係のオリジナルな作品です。
最後の最後で、お情けというか帳尻合わせのように「ルール」という単語を用いた会話が交わされますが、作品全体に決まりごとや規則性、法則性(=つまりルール)があるわけではなく、ストーリーにも全く絡められていません。
それもそのはず。この作品の原題は『GLORY DAYS』、そもそもこれは海外TVドラマシリーズであり、今作はその中の名(?)エピソードを集約させただけの、ただの総集編的な作品だったのです。(これは鑑賞後に、インターネットで調べて発覚しました)
つまり、無責任な邦題をつけられて、勝手にシリーズ化されてしまったんですねー。
(元祖『ルール』は、ちゃんと ”数々の都市伝説をベースに猟奇殺人が起こるホラー映画” です)
なるほど、どうりで(クソなわけで)。
どうも会話が唐突というか、話の展開が急に飛んだ気がしてたんですよ。1つの事件が解決すれば、もうそれはなかったかのように「ハイ!次の事件!」という感じで、およそ30分程度で片づく事件が続いて終幕となるわけですから。(まるでキューピー3分クッキングかっての!)
1.船上での突き落とし殺人事件
‥‥浮気中だった被害男性の奥さんが、浮気相手と共謀。
2.ピエロの首切り連続殺人事件
‥‥殉職した警察官の父の敵として、その元相棒を恨んだ主人公の姉の友人と、それとは別にその元相棒が殺人犯。(1の事件解決後、突然登場)
3.ミスコン殺人事件
‥‥恋人(漁師)を事故で亡くした主人公の元カノが、唯一助かった漁師仲間を恨んで犯行に及ぶ。
どれもこれも前触れなく唐突に始まり、そのつど犯人と思しき人物(大体ほぼ犯人です)が追加で登場して、大したヤマバもなくサクサク片づけられていく感じに、甚だ呆れるばかり。せめてもう少し全ての事件に関連性を持たす共通の謎を作るとか、ここまで極端なオムニバス的に、1事件1事件をぶつ切りにしなくとも良かったんじゃないかと。
それと主人公のマイクが、しゃしゃり出すぎ(でイラつく)。
小説家だから想像力に自信があるんだかナンダカ知らんけど、処女作だってベストセラーになったわけでもなし、ミステリー作家として華々しくデビューしたわけでもないのに、何をエラそうに探偵気取りなんだか。
しかも一度はミスリードこいて容疑者を間違え、無駄な尋問をさせるんです。顔だってイモ男だし、全然感情移入ができません。
何より許せないのはマイクの父親の死を、さも意味あり気に扱っておきながら一切明かさないでオシマイなことです。
どうやらマイクは父親の死について疑問を持っていて、それを劇中でもチョイチョイ挟んでくるのですが、結局死に方や死因など何一つ語られないままにエンディングとなります。(じゃあ、出すなよ!マジで!)
女性陣が比較的カワイイのが唯一の救いですが(コレで★×1つ獲得です)、かといってお色気サービスシーンもひとつもなく、‥‥本当に何のために作られたのか、騙された作品でした。
(果たして、そもそもこの作品は映画と呼んでいいんでしょうか??)
キモイ長髪に、相変わらずお人よし感全開なニックの旦那。
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原題: GLORY DAYS/DEMON TOWN
監督: ランドール・ジスク
公開: 1997年(日本) / 上映時間: 116分
製作: アメリカ(1997)
キーワード:アクション、犯罪者、銃撃、爆破、飛行機、ニコラス・ケイジ、テンプレート、BSフジ、吹替え(ソフト版)、大塚明夫、家中宏
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